シス子
2008年11月30日 (日)
2007年11月22日 (木)
2007年10月25日 (木)
①帰宅
会社から帰宅するとドアの前に何かが置いてあった。
幾重にも重なった色が洗濯物の山のようだったが、よくよく見て
みるとシーツのような白はリボンでありフリルであり、よれた
ズボンのような黒は服の生地の部分であり、自分では絶対に
着ないであろう赤いシャツの色はワインレッドの髪の毛だった。
あとはそのかたまりからのびたふとももと膝までのブーツ。
そいつはやる気の無い体育の授業にかり出された生徒のように
ぺったりと地面に座り、膝の間に顔を埋めていた。ちなみに静岡
の方では、「体育座り」ではなく「三角座り」というところも
あるらしい。と、先週くらいに広報の女子社員が言っていた事が
頭をよぎったときふいにワインレッドが跳ね上がり、
蒼白な顔がこちらに向いた。
おかえりなさい。赤い目。
え、あ、ただいま。あああ、何これ?
中に入れてくれないかな?のそりと立ち上がる。
え、中って、ちょっと、嫌ですよ。
わたしはここにいなきゃいけないの。布越しに伝わってくる
ひんやりとした感触。
だって、それに今きっと暇でしょ?
気圧されたわけではないけど、
気づくとそれはリビングのソファに座っていた。
なんか飲む?いい。
なぜだかそれ以上に会話がはずまない。
あー、名前は?いい。
いや良くない。名前は重要だ。
じゃあ、付けてよ、名前。赤い目がまたこちらを見る。
んー、フランシスコ。なんで?
昔、小学校の社会の時間にキリスト教を伝えたのは?と40くら
いのいつも赤いジャージを履いたちょっと受け口の化粧っけの
ない柴犬みたいな目をした女の教師に質問された親友が勢い
余って、サンフランシスコ・ザビエルです。と堂々と答えたのを
思い出したからだよ。
ザビエルは知らないけどそれでいいよ。
じゃあ短くして女の子みたくしてシスコね。
うん、まあそんな感じで。
そう答えると、心なしかそれはちょっと安心したように見えた。
そう、おれとシス子の物語は今始まってしまったばかりだ。。。



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